CH Precision #C1 < D to A Converter + Preamplifier > <This is only the beginning>
編集発行 株式会社 エスアイエス

USB streaming
USB接続
ハイレゾ / PC音源
リッピング音源
94/24.192k.DSD.etc
Apple* iPad/iPhone/iTouch
Wi-Fiによる遠隔操作

そう、これは単なる序章にしかすぎないのだ!! これから、このUSB_IN BOARDを皮きりに、C1の快進撃が始まっていく事を予感させる程の出来栄えに、改めてC1の実力とその先進性、拡張性を痛感することとなった。

CH PRECISIONのC1を使い始めて、そろそろ半年が経過する。今回の東京インターナショナルオーディオショーで、CH PRECISONの両名が、今後は“C1がオーディオシステムのコントロールセンター”になると言っていたが、拙宅では既にプリアンプは無くなり、今やC1がオーディオシステムのコントロールセンターとしての中核を担っている。

そんな中、CH PRECISIONからC1のPCオーディオ用のオプションとなるUSB_IN BOARDが発売された。もともと、CH PRECISONのD1+C1を使うまでは、LINNのKLIMAX DSを使用し、一時はストリーミング再生にどっぷりとはまり、これこそが今後のオーディオの進む道だと思っていた。

しかし、昨年CH PRECISIONのD1と出会い、同一音源のハイレゾとSACDを用い、KLIMAX DSと聴き比べ、何度聴いてもD1でのSACD再生の方が魅力的に感じ、再びDiscでの音楽再生に戻ることになった。

ただ、ハイレゾへの思いは捨てきれず、D1+C1の素晴らしい音に触れる度、SACDだけでなく、C1でハイレゾ音源を再生したら、“どんな素晴らしい再生音を聴かせてくれるのだろうか”と思いは募る一方で、一時は他社のDD/Cを購入することも考えたが、9月頃にはCH PRECISIONのHPに“間もなく発売”とのアナウンスがあり、グッと我慢して待つ事にした。

さて、到着したUSB_IN BOARD を使用するには、本体のファームウェアのバージョンアップが必要となり、まずはC1のファームウェアのバージョンを1.2→2.0にあげ、C1の空きスロットにUSB_IN BOARDをセットし、各種設定を実施することにした。

設定できる項目は、USBオーディオクラスの選択(1.0 or 2.0)とUSB入力を使用しないときにUSB AUDIO POWERを自動的にオフするかしないかの設定が可能となっている。

USB1.0と2.0は、使用するPCに対応しているものを選択すればOKであるが、USB1.0の場合には、上限が96kHzとなってしまうことに注意されたい。又、USB2.0を使用する場合は、MACの場合は問題ないが、Windoesの場合には別途ドライバーのインストールが必要となる。

拙宅ではMac miniを使用し以下のような構成で試聴することにした。USBでの再生の場合はもっと簡潔な構成も可能であるが、この後にNet Streaming Boardの発売も予定されていることから以下のような構成とすることにした。


再生ソフトはとりあえず、評判の良いAudirvana Plusを使用することにした。PCはMac miniとMac Book Airのどちらを購入するか悩んだが、Audirvana Plusが動作メモリをかなり必要とするらしく、Mac Book Air の4GBでは心もとないため、Mac mini を選択し、メモリを8GB実装し使用することにした。

Mac miniの場合は、別途モニタが必要となるが、これは“SPLASH REMOTE”というアプリを使用し、iPad上で直接Mac miniを操作する形とすることでデイスプレイレスとし,リスニングポイントからiPadでAudirvana Plusを直接操作する形にした。

前置きが長くなったが、設定の確認を含め早速聴いてみることにした。

とりあえず、いつものカルミニョーラの“四季”から冬を聴くことにする。音が出てきた瞬間に、頭が“???”で一杯になる。あれ、間違えてD1+C1で聴いているのかと勘違いするほど、いつも聴くD1+C1の再生音とほとんど差がないのだ。

“あれーそんなはずは・・”と思いながら、続いて、KLIMAX DSとD1を聴き比べた際に使用した、LINN RECORDSのメサイヤからトラック6を中心に音源はハイレゾとSACDを用いて比較することにした。

KLIMAX DSの時は音がD1に比べやや平坦な音場となってしまったが、C1+USBによる再生音はD1+C1に比べ、先ほどと同様にほとんど差がないのである。そんなことはなかろうと、何度も繰り返し聴き、慎重に違いを探っていくと、C1+USBの音に、D1+C1の再生音に足りない何かを感じるようになった。

その何かとは、私がCH PRECISIONの製品に惚れ込むきっかけとなった“音の生命力”となる音力がD1+C1の再生音に比べ弱くなってしまうのだ。

例えば、カルミニョーラの四季から冬の第2楽章を聴くと、C1+USBの再生では、D1+C1に比べピチカートはより明確に、そして余韻を今まで以上に露わにしながら空間を構成していくが、音の厚みが後退してしまい、演奏の動きが少し淡白になり、結果として音力が弱くなってしまうのだ。これはメサイヤにも当てはまることで、どこか演奏が軽くなり、ほんの僅かであるが、D1+C1が見せる圧倒的な音力に及ばなくなってしまう。

なかなかうまくいかないと思いながらも、追い込んでいない状態でD1に比べ、安価なMac miniが、D1と遜色のない実力を見せつけてくることに少々の驚きと共に、改めてD1の実力を知ることになった。

ただ、追い込みをかけいくことで、なんとかなるのではないかと考えるほど、その差はほんの僅かなものであり、事実、その道はきちんと用意されていたのである。

さて、ここで、今回のUSB_IN Board について簡単に紹介しよう。

今回のUSB_IN BOARD は、2種類あるアイソクロナス転送モードの内、ASYNC方式を採用している。ASYNC方式の場合、C1をClock MasterとしComputer側をスレーブさせデータを転送する事ができ、これにより低ジッターでの転送が可能となっている。


...次号・・・

そして、PCからのノイズの影響を最少にするため、コンピュータと巧妙にアイソレートされるよう設計がされている。

翌日から、あれやこれやと調整を実施していく。まず、Mac miniの電源ケーブルとインシュレータを交換する。そして、USBケーブル等を変更していくが、変化は多少あるが、なかなか差が縮まらない。そんな中、突破口を開いたのが、再生ソフトの選択である。MACの場合、前述のAudirvanaやAmarra等のソフトに加え、ターミナルから操作するAfplay等も利用することができ、再生ソフトにより驚くほど音が変化する。

例えば、同じAudirvanaでもフリー版とPlus版では音やクオリティにかなりの差があり、フリー版では低域とのバランスもよく、Plus版の様に少し腰高になるような傾向がない反面、情報量が少なくなり、音のキレも弱まってしまい、一聴してD1+C1の再生する音よりも明らかに格下の音になってしまう。

試聴前には、ここまで再生ソフトによる変化があるとは思ってなかったので、単純に評判のよいAudirvana Plusを選択したが、改めて自分に最適なソフトを探すため、様々な再生ソフトを試すことにした。

その結果、私の求める音に唯一合致したのが“ターミナルから操作するAfplay”であった。驚く事にAfplayで再生すると、C1+USBの音がD1+C1の再生音に完全に並んでしまうのだ!!! 違いといえば、若干の音楽性の違いであろうか? D1+C1の場合は、その安定しきった音場のなかで盤石の構えをみせ音楽を悠然と運んでいく。

一方USBの場合は音楽をフレッシュに“いきいき”と描き出していき、Audirvanaで感じた音力も減退することなく十分に再生してくる。いや、音力だけで評価すると、もしかするとD1+C1を超えているかもしれない。

ただ、残念な事にAfplayは操作性が大変悪く、再生するのにいちいちコマンドを叩く必要があり、普段使いには向かないのである。何とかAudirvana plusを使用し、Afplayでの再生音に近づけないか、設定を変更していくが、音が若干良くなるものの、Afplayで聴くような音にならない。

あきらめてかけているところに、そういえばAfplayの場合はFlac形式のファイルが再生出来ないので、AIFF形式に変換し再生していた事を思い出した。ものは試しとAudirvana Plus でAIFF形式とFlac形式のファイルを聴き比べてみることにした。

曲は最近気に入ってよく聴いている、YG ACOUSTISのDEMO CDから“The StimulatorsのNew Year's Eve On The Waterfront”を使用することにした。

まず、Flac形式から、続いてAIFF形式を試聴するが、AIFFによる演奏が始まった瞬間に、そうか!! これが原因だったのか!! AIFFの場合には、Afplayでの音にかなり近づき、音のひとつひとつに力がみなぎり、いわゆる音力が蘇ってくるのである。それでも残念ながらAfplayでの音にはわずか及ばず、今後のAudirvana Plusのバージョンアップに期待しながら、当面、真剣に聴くときはAfplayを使用し、それ以外はAudirvana Plusを使用することにした。

さて、セッティングが完了したので、本格的な試聴を実施することにした。いずれも、音源はハイレゾとSACDを使用する事にした。

まず、LINN RECORDSのメサイヤからトラック6を聴く。C 1+USBの場合には、D1+C1に比べ、冒頭の弦がさらに美しく、通奏低音もキレが良くなり、より気持ちよく音を奏でていくのである。そして一番違いを感じるのはバスの独唱部分である。音のキレが増し、奏者の表情をより豊かに描きだしてくる。この曲については、私はC1+USBに軍配をあげたい。

続いて、ヒラリー・ハーンのJ.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲集から6曲目を聴く。まずは、D1+C1から、音の厚み、ハーンともう一人のソリストの音色のかき分けも見事であり、中盤の通奏低音のキレとも申し分ない。続いてC 1+USBでハイレゾを再生する。SACDの再生に比べ、幾分透明度があがり、音のキレも増しソリストの動きも明確化してくるが、音の厚みがほんのわずか後退し、この場合にはこれがマイナスに働き、残念ながら演奏の熱気みたいなものがほんのわずか減退してしまう。この音なら私はD1+C1の再生音に軍配をあげる。

さらに、Reference RecordingsのExotic Danceから7曲目を聴くが、驚いた事に再生音が、うり二つで区別がつかない。何度も聴き比べ、ここが違うなと思い、その部分を集中的に聴くが、残念ながらその違いを明確には見つけることが出来なかった。

それにしても、こんな簡単にD1+C1の再生音に追いついてしまっていいのだろうか?

正直なところ、聴く前は、D1+C1が圧勝し、さらに、音の優劣だけでなく、音質にも結構な違いをみせものとばかり思っていましたが、結果は非常に驚くもので、差がほとんどないばかりか、そのクオリティも肩を並べるもので、こんな結果になるとは想像もしていませんでした。

今まで、CH PRECISION のC1は、あくまでD1用のDACとしての位置づけであったかと思いますが、先に書いたとおり、拙宅では既にプリアンプとしても機能させており、DACとしての機能も大変優れたものですが、私はC1の本質はDACコントローラにあると思っています。

今回、USB_IN boardが発売され、C1単体としての魅力もグーンとあがり、これからはこのC1がCH PRECISIONの看板製品になっていくと思っています。もし、仮に私がD1、C1を所有していないとして、現時点で、D1とC1のどちらを先に買いますかと聞かれれば、私は迷わずに“C1”と答えると思います。

最後に、今後、Net Streaming Boardの発売が予定されており、次回には、USB VS Net Streamingとしてお送りしたいと思います。

乞うご期待!!!