YG Acoustics Sonja1.2
編集発行 株式会社エスアイエス

Yg Acoustics Sonja 1.2 導入記

私は、自信をもって此処に宣言したいと思う。

余裕があるのであれば必ず手に入れるべきだと、いや、例え余裕がなく、今は手に入れることが出来なくとも一度は聴いてみるべきだと、体験してみるべきだと、それほどのスピーカーの登場である。

Yg AcousticsよりANATに変わり、新たなシリーズとなるSonjaが発売されることになった。昨年からANAT3sigを使い始めた私にとって、IASJの前にANATからSonjaシリーズとなる事を教えてもらった時は、“エッつもう新しくなっちゃうの"と、正直それはないよなーと考えていた。

聴けばYg Acousticsが創立から10周年を迎えるとのことで、それに合わせ新シリーズの発売に踏み切ったらしいが、それにしても、それにしてもである。


11月2日IASJ初日

恒例のIASJとなり、今年も初日から参加する事にした。早速、AccAのブースにいくと、既にSonja1.3が設置されていて、SonjaになりANATよりサイズは大きくなっているのにもかかわらず、見た感じは逆にコンパクトになったかと思うほど威圧感が減り、キカイキカイしたANATの男性的なデザインから、細身で撫でやかな女性的なデザインに変貌していた。

早速聴かせてもらうが、残念ながらこれが期待していた程のものでなく、思ったほどANATとの音の差がつかめず、逆に、低域は昨年聴いたANAT3のほうが良かったと思わせる再生音に、少々がっかりし、”これなら買い換える必要はないな”と逆にホッとしAccAのブースを後にすることにしたが、この考えは翌日には完全にひっくり返されることになる。

11月3日 IASJ2日目

昨日、パッとしなかったが、和田先生の講演を聞くため、講演の1時間ほど前にAccAのブースに行く ことにした。講演まで少し時間があり、期待せず席に座り聴いてみると、違う!! 違うのだ。

これが昨日と同一のスピーカとは思えないほど、昨日までのさえない音から、アッと驚くほどいい音になっていたのだ。

特段、セッティングやその他の機材にも変更があるようにもみえず、慌ててAccAの木村氏に”何かしたの?”と聞いてみると、Sonjaからウーファー部がパッシブとなり、そのネットワークのエージングに時間を必要とするらしく、もともとはSonja1.2でデモを予定していたのを、急遽Sonja1.3にしたため、ネットワーク部のエージングが間に合わず、1日ガンガン鳴らしてやっと本領を発揮するようになったとのこと。

それにしても、本調子となったSonjaの音は見事なもので、講演までの一時間あまり、いろいろなCDを聴かせてもらい、頭のなかでANATとの違いを見つけていくと、一つはっきりと分かったことがある。それは、音でなく、音楽の表現力の違いである。

例えば、ANAT3Sigは途轍もない解像度と、非常にクリアーで透明感あふれる音場で聴き手を魅了してくるが、Sonjaの場合にはこうしたオーディオ的な事柄でなく、音楽そのものにまず魅了され、気が付けば音楽に心を奪われている自分がいるのである。解像度やスピード感、音場表現等のオーディオ的な評価項目で比較した場合には、ANATとSonjaとの差は小さく、よく似た音であるかもしれないが、音楽として最終的にリスナーが受ける印象は残念ながら似て非なるものと言わざるをえない。

11月4日 自宅

IASJから戻り、自宅で改めてANAT3Sigを聴いてみる。聴く曲はSonjaで聴いてANAT3Sigとの違いを見せつけられた「Jennifer Warnes The Hunter」からWay Down Deepである。

冒頭の出だしは、そんなに違わないが、ボーカルが入ってくると、ダメなのである。一度Sonjaを聴いてしまうと、ANAT3Sigで聴くボーカルには余計な付帯音がつき、汚れた音に聴こえてしまい、奏者の微妙なニュアンスもこの付帯音によってかき消されているようかのように聴こえる。

なんとかならないかと、セッティングの変更や、GEMの再調整を試みて、幾分良くはなったが、一向にSonjaとの差が縮まらない。何が一番違うかというと、心に訴えかけてくる力が全く異なるのである。Sonjaの場合には、もっと切々と心に訴えかけてくるボーカルが再現され、スーッと何も考えずに音楽に入って行くことが出来たのに、ANAT3Sigで聴くとどうしても音楽よりもオーディオ的な観点で聴いてしまうのである。

もう、ANAT3Sigでは満足出来ないのか、Sonjaにするしかないのか、いろいろ考えるが、購入しようにもCH PrecisionのA1を買ったばかりで、とてもそんな余裕がなく、しばらくはじっと我慢するしかなかった。

11月10日 大阪ハイエンドショー

今日は、大阪ハイエンドショーの開催日で、ハイエンドショーの開催に合せ、河口無線でSonja1.2のデモをすると木村さんに聞いていたので、ハイエンドショーのついでに行くことにした。行ってみると、先客がおられて、ベルリオーズの幻想交響曲がかけられており、古い録音のようであったが、なかなかいい雰囲気で鳴っており、やっぱり、無理をしてでも導入するしかないかなーと聴きながら考えていた。

さて、Yg Acousticsのスピーカは、他のスピーカと違いバージョンアップが可能で、ANATからSonjaへもバージョンアッププログラムが用意されている。用意されているプログラムは2種類あり、ウーファー部をパッシブに変更しSP端子を交換する形と、外装を含め全交換する方法がある。パッシブ化だけであれば費用も何とか手に届く範囲なので、これで効果があるのであればとりあえずパッシブ化だけでもするかと思い、効果の程をAccAの木村さんに聞いてみることにした。

木村さん曰く、ウーファーのパッシブ化でもそれなりの効果はあると思うけど、Sonjaの上だけを試しに鳴らした時にANATと全く違う音だったとのことで、この音を得るには、やはり外装を含めた交換を実施するしかないようだ。

12月某日

日に日にSonjaへの思いは募り、このころには、現有の機材を処分してでも手に入れたい気持ちになっていた。

SISの小島さんにSonjaの購入について相談すると、今注文すると納期は早くて、来年の2月頃とのこと。バージョンアップでいくか、新品とするか散々悩んだが、折角の新シリーズだし、新品を発注することとし、先行してANAT3Sigの嫁入り先を探してもらうことにした。

1月18日 自宅

予定より少し早く、注文していたSonja1.2が本国から届き、待ちに待った搬入日となる。SonjaはANAT3よりもさらに重量が増え、安全面を考え、設置までを輸入元のAccAにお願いすることにした。やってきたSonjaは写真のような専用のカートンに収められている。まずはベースユニットを設置し、その後、アッパーユニットを上に設置していく形になる。

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運ばれたSonjaをじっくり観察すると、メインモジュールのフロントバッフルは垂直方向に弧を描く様に湾曲し、さらに、TWから上下に行くに従い左右のRが深くなるような複雑な形状になっており、側面も、緩やかなRを与えられており、各面の絶妙なR等をみていると、細部にまでとことんこだわり作ったのがよくわかる。

.....ユニットの連結方法もより洗練され、ANATの時はただ単に上に乗せ、横からビスでとめるだけであったが、Sonjaの場合は、以下の写真の通りベースユニットとアッパーユニットを連結するためのガイド用の凹凸金具が取り付けられ、さらに、以下の写真にあるようなシャフトでその金具を後ろから縫う形に変更され、設置後はそのような構造になっているのがわからなくなる。細かいことだが、ANAT3までのユニットにはフランジ部分にYGのロゴが刻印されていたが、今回のSonjaからこうした刻印も姿を消しており、この辺はやはり、インダストリアルデザインを手がけるポルシェデザインのなせるものかと思う。

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そして、Sonjaでのもう一つの変更点であるスピーカー端子は、削り出しにより作られており、非常に出来のいいものとなっている。拙宅ではYラグのSPケーブルを使用しているが、WBTのスピーカー端子では直ぐに緩んでしまうこともままあったが、今回のSP端子では少々ゆすったぐらいではビクともせず、単品での販売を考えても良いのではと思うほどの出来である。

その後、粗いセッティングが完了し、音を聴いてみようと思ったが、IASJでの寝起きの遅さを考え、音出しのチェックを行うまでにとどめ、本格的な試聴はエージングの後行うこととした。


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1月26日 自宅

ちょうどエージングを開始してから1週間が立ち、期待して聴いてみるが、思ったほどエージングが進んでいないようで、メインモジュールはなんとか落ち着きを見せているが、ベースモジュールは全く進んだ気配がなく、キレのいい低域であるが、超低域の力感と量感がともなわず、音楽の実体感を感じさせてくれない再生となってしまう。

さて、どうしたものかと、何とかエージングを進めるのに効果的な方法は無いかとwebで色々調べていると、ゴムには応力軟化となるマリンス効果なるものがあり、スピーカーのエッジに使われているゴム素材は、この応力軟化により動きやすくなることでエージングが進むと説明している面白い記述をみつけた。


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この応力軟化を起こさせるには、要は大振幅を与えればいいわけで、効果的なソフトはないかと、手持ちの音源から探してみると、FourplayのThe Best of Fourplayがなかなかに効果的で、大き目の音量で1時間程度かけただけで、低域がグーンと伸びてきて、エージングの進みを確認できたが、結局、満足の得られるレベルに達するまでには1ヶ月の時間を要するのであった。

*応力軟化の詳細はマリンス効果、又はMullins methodで調べると色々でてくるので興味のある方はそちらを参照ください。

試聴編 2月23日、24日

低域のエージングを勧めながら、この1箇月あまり、セッティングの微調整を繰り返し、やっと調整が完了し、本格的な試聴を開始することにした。

まず最初に聴く曲は前橋汀子さんの、ベストセレクションから一曲目である。冒頭音が鳴った瞬間にまず感じるのは、音場の高さ方向の拡大である。Audio MachinaのThe Pure SystemからANAT3Sigに変えた時に感じた事であるが、仮想同軸型は音場の高さがあまり出ず、どこか音が抑圧された様に聴こえることがあり、この点においてはANAT3Sigは弟機のKIPODに劣っていたと言える。これが、Sonjaの場合には、同じ仮想同軸型を採用しながらも、なんの問題もなく高さ方向を表現してくれるのである。
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そして、特筆すべきは、音の純度である。これは、IASJでJennifer Warnesのボーカルを聴いた時にも感じたことであるが、Sonjaを聴いてしまうと、ANAT3Sigの音はどこか汚れた音に聴こえてしまうのだ。

いや、むしろ、汚れたというより、ダメージを受けているといった方がわかりやすいかもしれない。例えば、序奏が終わり、4分頃までのカデンツァまでの間は、今まであまり面白い部分ではないと思っていたが、改めてSonjaで聴くと、ANAT3Sigでは、音がダメージを受け、情報が欠落していることがはっきりとわかり、Sonjaでは、今までダメージを受け欠落していた情報を元通り再現し、今まで聴こえなかった奏者の音に込めたわずかな音のゆらぎや思いまでも再現してくるのである。

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続いて、ネトレブコのアリア集からボエームを聴いてみる。この曲の場合、中低域の調整がうまくいっていないと、ボーカルがやせ細ってしまい、聴くに耐えない音になってしまう。エージングが済んでいない状態で一度聴いてみたが、案の定、痩せたボーカルになり、がっかりした覚えがあるが、エージングの状態を推し量るために再度聴いてみることにした。

早速聴いてみるが、まだ少し肉声感がでず、もう少しやわらかな表情が欲しかったので、CH PRECISIONのA1のフィードバック(以下:FB)量を再度調整することにした。ここで少し説明しておくと、CH PRECISIONのA1には、他のアンプには無いFB量の可変機能があり、このFB量を変化させることで、音のコントロールが可能となっている。

ANAT3Sigの場合には、デフォルトを60%にして、少し柔和な感じが欲しい時には80%に、逆にハードにしたい時は40%に設定する形で使用していて、この時はデフォルトの60%で聴いていたので、もう少し柔らかな音にするため、FB量を80%にしてみるが、逆に音がシャープになってしまう。あれ? おかしいなと思い、逆に40%にすると音が柔和な方向に変化したのである。どうやら、Sonjaになり、ウーファ部がパッシブとなり、FB可変の効果が最低域まで含めた全域になったため、ANAT3とは正反対の効果となって現れたと思う。
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続いて、聴いたのは、普段はほとんど聴く事のない演歌のアルバムで、BEGINが開発した一五一会というギターを用いて、石川さゆりや前川清等のテイチク所属の歌手とコラボし製作したカバーアルバムで、聴いてみると、あまり演歌っぽくなく、ナカナカに録音のいいアルバムに仕上がっている。

今回はこのアルバムの中から石川さゆりの津軽海峡冬景色を聴いてみる。

冒頭、ギターの伴奏からはじまり、石川さゆりが”上野初の夜行列車おりたときから 青森駅は雪のなか”と有名な一節を歌うのであるが、この一節の石川さゆりが表現する可憐さときたら、思わず抱きしめたくなるほどである。そして、曲が進むにつれ、、同一のメロディであっても、1番よりも2番では、可憐さに力強さが加わってり、終盤にイクに従い、どんどん感情が高らせ、最後のクライマックスでは思わず拳を握りしめるほど音楽にのめり込んでしまう。

この曲についても、ANAT3Sigで聴いているが、ボーカルはセンターに明確に位置し音像にも十分な密度があり、これだけを聴くと十分にいい音なのであるが、肝心のボーカルの表情に色香や妖艶さが感じられず、改めて、Sonjaで聴いてみて、ANAT3Sigで聴けたいい音はあくまで音なのであって音楽ではなかったことに気付かされてしまう。

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続いて、オーディオでは有名なRodrigo Y Gabrielaの11:11からHanumanを聴くが、これも予想を反し、ANAT3Sigで聴いていた音と全く違うのだ。ANAT3Sigの時も解像度の高い、キレの良い再生音であったが、Sonjaで聴くと、音離れが異常に早く、一切の音がエンクロジャーにまとわりつく感じが無く、空間に音が一瞬にしてはじき出されていく。

また、音の情報量も格段にアップしており、さらに高域から低域にいたるまで音の質感、スピード感が揃い、まるで左右のスピーカーがRodrigoとGabrielaになったかのような錯覚をうけたほどである。確認のためにLive in JAPANから天国への階段とTamacunを聴いてみたが、これも同じである。ANAT3Sigでもかなりいい線をいっていたので、正直ここまで差が生じるとは思っていなかった。

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続いて、IASJで聴いて非常に驚いたディスクで「musica nuda live at fip」からcome togetherを聴いみる。musica nudaはイタリアの男女2人からなるボーカルとコントラバスのデュオで、小編成でありながら、圧倒的なボーカルのダイナミックレンジと、コントラバスの重量感がありながらも、非常にキレのある音が聴きどころである。選曲も非常にいいものばかりなので、皆様も是非入手して聴かれたらと思う。

冒頭、コントラバスと共に、”シャツタッタタッー”と入ってくるが、この部分のキレというか瞬発力がまるで違い、音が空間に一瞬にして駆け上がっていく様は圧巻である。そして、なんという音の表情の多彩さであろうか、これは、2曲目の”Roxanne”ではより顕著となるが、これほどまでのボーカルの表情はANAT3Sigでは聴かせてくれなかったものだ。

さらに、音の表情と共に特筆したいのが、ボーカルの音像の表れ方である。よくオーディオでは、センターに定位する音像の大きさを”ボール大”とか”こぶし大”とかで表現することがあるが、Sonjaの場合にはこれらの表現方法ではこの音を表現することは不可能である。

Sonjaの場合には、極端にいってしまうと、音像は一点である。そして、その音像をとり囲むようにさまざな間接音でボーカルで構成されるのである。この音像の表現を得たことにより、圧倒的な浸透力と自然さを獲得したのだと思っている 。

例えば、皆様が人と話したり、人の話を聴いているときに、”ボール大”とか”こぶし大”といった形で相手の音を意識したことがおありだろうか? 少なくとも私は今までそう感じた事がなく、今までにオーディオを聴いていて、少なからず、違和感を感じていた部分でもあり、オーディオだからと諦めていた部分でもあったが、Sonjaを聴いて改めてこの事を思い出した次第である。

それにしても、どうして、ここまでの差がついてしまったのだろうか?

Sonjaで変わったのはウーファーのパッシブ化とエンクロウジュアの形状変更だけであり、ユニットには変更がなく、エンクロウジュアについては、形状が変更されたといっても、

ANAT3Sigのエンクロウジュアも非常に良く出来ていたものであり、何故、ここまでの差が出るのか、何点か気になることもあり、輸入元を通じYoav氏に確認してもらうことにした。

*以下、斜線部はYoav氏からの回答をAccAの木村さんに訳してもらったものを一部編集し引用

○ANATとSonjaの設計コンセプトの違いについての回答

ANAT、Kipodは「2Wayフルレンジ+サブ・ウーファ」をコンセプトに、各モジュールのエンクロウジュアを個別に設計していたが、SonjaはYGでは初めての3Wayシステムとして開発をおこなっている。

Sonjaにおいてもモジュラー構成を引き継いでいるが、エンクロウジュアの設計コンセプトは全てのドライバーユニットがフルレンジの様に1点音源となる事を前提に開発している。

○エンクロジャーの曲面の役割についての回答

Sonjaの持つ優雅な曲線は縦方向の傾斜のみならず、横方向へのRも含め、3次元での融合ジオメトリーにて決定している。縦方向のR角度はタイム・アライメント、横方向のR角度はディフレクション、そしてメインモジュールにおけるフロントバッフル中央部の複雑な曲面形状は各ユニット間の干渉回避を最適化する為のアルゴリズムにて全てコンピュータによるシミュレーションにて算出している。

○仮想同軸スピーカーが苦手とする高さ表現の改善に関する回答

電気的な位相管理に加え、前出の縦/横方向のR角度によりメカニカルな方向からも更に位相特性が格段に向上された。従来「仮想同軸構成」では不利とされていた「高さ」の再現向上もこのエンクロウジュアの曲線ジオメトリーにより達成が可能となった。またフロントのみならず、背面パネルの物量を大幅に増量した事により重量バランスも大幅に改善され、これによりエンクロウジュアにて発生する振動を、より効率的にフロアへ排出する事が可能になり、静粛性の大幅な向上を達成が可能となった。

○ベースモジュールをパッシブ化とした理由について

YGのみが達成出来る位相とSPLを同時に最適化するアルゴリズムネットワークは、ユニット間位相誤差5度以下を達成している。 しかしこのアルゴリズムは、1kHz以上での帯域では実現可能であったが、低周波数帯域においては、このアルゴリズムを具現化する為のエレメントが存在しなかった事もあり、メインモジュールへのみ採用していた。

2011年ムーンドルフ社のサブ・ハーモニック・フィルタの開発に参加し、「Dual Coherent」アルゴリズムを低周波数帯域へ適応させる新たなアルゴリズムのヒントを得、さらにムーンドルフ社は、そのアイデアを実現させる為のエレメント開発に成功し、遂に低域用「Dual Coherent」ネットワークを実現した。これにより、全帯域に渡り各ユニット間の位相誤差5度以下を達成することができた。(ANAT、Kipodに搭載されるサブ・ウーファ用アンプのアクティブ・クロスオーバーでの最大位相誤差(ミッド・ウーファとサブ・ウーファ間)は約50度が限界)。

上記Yoav氏の回答からも判るように、今回のSonjaにおけるエンクロジャーの果たす役割は非常に大きなもので、ANATでは折角の上質なユニットを十分に生かしきれておらず、今までのエンクロージャーではひずみや余分な音が附加され、それは、音像の膨らみや音場の乱れ等に顕著に現れていたのだと思います。

Sonjaはこれら、問題点に対し、誠実に正攻法で挑み一つ一つ問題を取り除き、結果として、ANATでは再現することが叶わなかった、音楽表現をてにいれたのだと思います。

今回は、自分でも早すぎると思う短期間でのメインスピーカーの入れ替えとなりましたが、私は、Sonjaを聴いて、これこそがひとつのスピーカーの完成形だと信じています。これを書いている今も音はさらによい方向に変化してきており、これから時間をかけゆっくりと仕上げていきたいと思います。

なかなか聴く機会のないスピーカですがSISでは展示機としてSonja1.2を導入するとのことで、是非皆様もこの稀有なスピーカーを体験されることをお勧めします。

以上 長文にお付き合いくださり有難うございます。ご意見、ご感想等ありましたら、以下までお願いします。

E-mail:caddismachina@gmail.com