ツイータの接続極性と取り付け位置



自作したスピーカではツイータの接続極性は正相のほうが良い特性が得られました。 この点がどうも腑に落ちなかったので極性についていくつか実験してみました。
結論としてはツイータとウーファーの前後の取り付け位置、いわゆるアライメントが重要だという結論になりました。

基本

ツイータとウーファーのクロスオーバネットワークを12db/octにした場合、基本的にはツイータの極性を逆にしてつなぎます
12db/octの回路では、クロスオーバー周波数で、ウーファーへの信号の位相が90度遅れ、ツイータへの信号の位相は90度進みます。 合わせて180度の差となるため、同じ極性でつなぐと出てくる音が逆相になり、打ち消しあってしまいます
逆相でつなぐと、これでさらに180度位相がずれるため、結局位相のずれが0度となって出てくる音の位相が合うことになります

ちなみに6db/octだと正相接続で45度の遅れと45度の進みを合成して0度になります

実際

しかし実際には、12db/octでも正相でつないだほうが良い場合もあります
これはウーファーからの音の位相が遅れる場合が多いためです。遅れるおもな理由は次のことによるものです
 ・ ウーファーの音が出てくる位置が取り付け面より奥にあり、音が到達するのが遅れる
 ・ ウーファーのボイスコイルのインダクタンスで電流が遅れる
音の遅れによるものの影響のほうが大きいようです

たとえば2kHzの音の波長は17cm程度なので、4cm引っ込んでいると90度近く位相が遅れてしまいます。 4kHzならばその倍の180度遅れることになります

シミュレーション

アライメントによる影響をシミュレーションで確かめてみました
2kHzのクロスオーバ周波数 12db/octのフィルタです
最初は逆相接続です

0.0cm1.7cm
 
3.4cm5.1cm

前後の位置がずれるにしたがってディップができることがわかります
次は正相接続です

0.0cm1.7cm
 
3.4cm5.1cm

正相接続だと位置ずれによる位相遅れがある場合に良い結果となります

シミュレーションにはサーキットビューアのプレビュー版を使いました。ベクターに登録されています
ちょっと変わったシュミレータですが、デジタルフィルタを使うとディレイのシミュレーションができます

スピーカでの測定例

同じバッフル面にツイータとウーファーをつけたスピーカーで、正相接続でスピーカーから30cmの距離で上下方向に測定位置を変えた場合の特性です


ツイータの位置で測定


ツイータとウーファーの真ん中の位置で測定


ウーファーの位置で測定

次は逆相接続です


ツイータの位置で測定


真ん中の位置で測定

ウーファーとの距離によって、正相逆相どちらが良いかが変わるのがわかります


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