マルクス・ブラザーズのぺえじ

形だけのページシリーズ、今回はマルクス兄弟編。適当なもんなんで、適当に見てもらって、マルクス兄弟に興味を持ってもらえたらなんてそんな感じです。


以下の文章は、1993/10/11〜1994/1/14まで新宿武蔵野館において行われたマルクス・ブラザーズ映画祭のちらしに寄稿したケラさんの文章の無断引用です。ごめんなさい、許して。

「父の借金とマルクス兄弟」KERA

※この時の上映作品は週代りで「オペラは踊る」「マルクス一番乗り」「マルクス兄弟珍サーカス」「マルクスの二挺拳銃」「マルクス兄弟デパート騒動」「我輩はカモである」を上映しました。私もすでに全作品ビデオで見ていたのですけど、やっぱ我カモはスクリーンで観なきゃとばかりに映画祭にでかけました。意外と多かったお客さん。外人さんもいました。スクリーンで動き回るマルクス兄弟と、爆笑するお客と、その雰囲気にとても感動したのをよく覚えています。


マルクス兄弟について

マルクス兄弟はドイツの旅芸人の両親の元に生まれた5人兄弟。そのうち映画に出たのは写真左からゼッポ、ハーポ、チコ、グルーチョの4人。右手だけやけに器用にピアノの速弾きをするイタリア訛りのチコ、インクでかいたヒゲで葉巻をくわえ腰を低く落として動き廻るグルーチョ、唖役で決してしゃべらないが世界有数のハープ奏者のハーポ、という強烈なキャラクターに比べていたって普通な人のゼッポは、「我輩はカモである」を最後に、映画にはでてません。もともとヴォードビルの舞台出身で、「ココナッツ」や「けだもの組合」などはその舞台をスクリーンに持ってきたものです。

なんか、まじめに解説しちゃいましたけど、とにかくマルクス兄弟はアナーキーで面白いです。私も最初はチャップリンとかと一緒と思ってなめてました。で、ビデオを見てその考えを改めました。もうやってる事がメチャメチャ。3人ともボケ役っていうか、それでそのままストーリーも進行。マルクス兄弟の映画は1929年から1949年までなんですけど、そんな昔にこんなナンセンスな笑いが理解できたのかと不思議です。って、実際は公開時はやはり受け入れられてなかったみたいですけど。やはりマルクス兄弟は偉大です。


作品について

  • 「ココナッツ」(1929)
  • 「けだもの組合」(1930)
  • 「いんちき商売」(1931)
  • 「御冗談でショ」(1932)
  • 「我輩はカモである」(1933)
  • 「オペラは踊る」(1935)
  • 「マルクス一番乗り」(1937)
  • 「ルーム・サーヴィス」(1938)
  • 「マルクス兄弟珍サーカス」(1939)
  • 「マルクスの二挺拳銃」(1940)
  • 「マルクス兄弟デハート騒動」(1941)
  • 「マルクス捕物帖」(1946)
  • 「ラヴ・ハッピー」(1949)
  • マルクス兄弟が出演した映画は全部で13本。そのうち最初の5本がパラマウントで制作されたものでゼッポを含む4人が出演。その後の8本がMGMで制作されたものでグルーチョ、チコ、ハーポ3人によるものですが、一番最後の「ラヴ・ハッピー」はハーポ主演作で、番外編みたいな感じです。

    とにかくオススメは「我輩はカモである」です。もう、これは騙されたと思って何がなんでも見て欲しい。我カモならレンタル屋何件か探せばあったりすると思うし、なくても廉価版ビデオも売ってるハズ。他の作品にあるようなハーポのハープやチコのピアノといった芸での見せ場も省いて、とにかくギャグが濃縮された作品。個人的にコメディ映画の最高峰だと思ってます。映画の冒頭から、いんちきのカタマリのようなマルクス兄弟の虜にきっとなるはず。

    「けだもの組合」と、あと「我輩はカモである」以降の作品は全部ビデオになってます。でも廃盤のやつがかなり多いので頑張って探しましょう。それ以外の「ココナッツ」「いんちき商売」「御冗談でショ」でさえ、LDが発売されて見れるようになりました。私、その為にLDプレーヤー買っちゃいました(笑)。でもLDも、たぶん入手困難状態です。他にグルーチョの単独作「マルクスの競馬騒動」なんてビデオもあります。


    その他

    「御冗談でショ」の主題歌「EVERY SAYS I LOVE YOU」を、まんまパクってケラさんは「犬」という曲として唄ってます。また、この曲を主題歌にしたウディ・アレンの映画「世界中がアイラブユー」では全員グルーチョのカッコしたパーティなんかも登場。ウディアレンもマルクスファンとして有名みたいです。

    音自体は映画からとったものなんで、あんまりよくないんだけど、グルーチョの歌、ハーポのハープ、チコのピアノが聴けるファンならたまらない「THE MARX BROTHERS SING & PLAY」なんて3枚組のCDもあります。これ、かなり探してようやく手に入れました。あと、イギリスに行った時に「AN EVENING WITH GROUCHO MARX」なんてカセットも買いました。これはカーネギーホールでのグルーチョのライブのものみたいです。

    日本で出版された本としては、やっぱり「マルクス兄弟のおかしな世界(晶文社)」はファン必読ですね。全作品がくわしく解説されてます。あと、マルクス兄弟が当時やっていたラジオ番組の脚本が本になった「マルクス・ラジオ(角川書店)」。ラジオなわけで当然しゃべらないハーポは登場してないんですけど、そのグルーチョとチコをなぜか大竹まことときたろうが演じてるのが表紙になってます。ケラの文章も1ページあり。そして、グルーチョ自身がかいた「グルーチョ・マルクスの好色一代記(青土社)」なんてのもあります。

    ビデオ置いてあるレンタル屋を探しては借りて、そんでもって初期の作品がみれなくてくやしがってたら、ナイロン100℃の「スラップスティックス」という公演の企画で、昼間にサイレント映画上映会があって、そこで「いんちき商売」と「御冗談でショ(ハイライトシーン集)」を観る事ができた。もちろん字幕無だったのに、そんな事忘れて大笑いした。その時のケラの挨拶文も引用しちゃおう。

    『本日はようこそいらっしゃいました。全9プログラム38本を連続上映する今回の上映会もいよいよ最終日、そして1993年もおわらんとしております。今日はマルクス兄弟の「いんちき商売」と、おまけで「御冗談でショ」の短縮版、すぐ近所の映画館では今でも「我輩はカモである」がレイトショー上映されていますけど、いやはや、本当に面白いですねぇ。早くパラマウント期の5本がリバイバル上映されるといいですね。字幕付きで。で、申しわけない、今回は字幕なし、対訳シナリオで我慢して下さい。来年も機会があれば、又こうした上映会を行いたいと思っております。その時はぜひ。それではごゆっくりお楽しみ下さい。よいお年を』

    これは1993年12月30日にシアタートップスで行われたものです。で、その後LDでパラマウント期の作品が発売になって、ようやく全作品を観ることができたわけです。ああ、よかった。でもこれからの楽しみがなくなってしまいました。現存しないと言われる幻のマルクス兄弟のプライベートフィルム「ヒューモリスク」が発掘されたりしないかなあ。