脇壇の薬師如来の前には榊と三方が置かれています。

次ページ 明通寺本堂(福井県)

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向かって左に薬師如来、右に六柱の神号掛け軸

側面 妻飾りは禅宗様の二重虹梁大瓶束

正面は全て和様の蔀戸

注連縄のかかる神宮寺本堂


     神宮寺本堂   福井県小浜市   室町時代(1533年) 天台宗

神号の掛け軸

薬師如来

現存する最古の神宮寺

一般に神宮寺とは神仏習合思想に基づいて神社に付属して建てられた仏教寺院の総称です。神仏習合は奈良時代の初めにはすでに確立していました。
文献上では715年創建の福井県気比大社の気比神宮寺を嚆矢とします。二番目が養老年間創建の若狭彦神社(前述)の神願寺、現在の若狭神宮寺、つまりこの寺院です。
神宮寺は、以後神仏習合思想の広がりとともに各地の主だった神社に数多くつくられましたが、明治時代の廃仏毀釈によりことごとく破却され本寺院をはじめ十数例しか現存していません。
本堂は、天台宗の中世密教本堂の通例として内陣と外陣を格子戸および菱欄間で厳格に仕切られています。
しかし内陣須弥壇の中央にこそ薬師如来が安置されていますが、その隣には榊と三方が飾られ和加佐比古大神をはじめ六柱の神号の掛け軸が祀られています。
また、本堂正面の水引虹梁には御幣のついた注連縄が掲げられています。まさに1300年以上に亘るわが国の宗教観を表している本堂と言えるでしょう。

建築様式 折衷様
桁行五間、梁間六間、一重 入母屋造 檜皮葺

脇壇

内陣

外陣

前後に架けた虹梁により中間の柱を省略しています。
左側の内陣とは格子戸と菱欄間で厳格に仕切ります。