奈良時代と鎌倉時代が同居

不空羂索観音を本尊とする法華堂は、東大寺の前身である金鐘寺(きんしょうじ)の主要堂宇であり、東大寺最古の仏堂です。毎年3月に法華会が行われたことから三月堂ともいいます。

仏堂は、後方が仏像群を安置する正堂とその前の礼堂に分かれています。正堂部分は奈良時代の建物であり、当時はその手前に双堂(ならびどう)形式で別棟の礼堂が建てられていたようです。
鎌倉時代になって新たに礼堂を造る際に、正堂と繋いで一つの建物としたのです。礼堂から壁一つまたぐと鎌倉時代から奈良時代へタイムスリップするのです。
礼堂部は、鎌倉時代に大仏様を導入した重源上人によって造立され一部に大仏様が採用されています。
また、建物の妻側に出入口を設ける「妻入り」は仏堂では珍しいですが、このように増築や改造された仏堂には比較的多く見受けられます。

造り合い

次ページ 東大寺南大門(奈良)


目次に戻る






正面

礼堂内部 正面壁の向こうが奈良時代の正堂
手前が鎌倉時代の礼堂になります。

造り合い部分(結合部)の軒

屋根は棟が直角(T字)に繋がっています。

側面 
左4間が奈良時代建立の正堂
造り合い2間と右端2間が鎌倉時代増築の礼堂


     東大寺法華堂(三月堂)  奈良県  奈良時代(747年頃)・鎌倉時代増築(1199年)

建築様式 和様 礼堂の一部に大仏様
正面五間、側面八間 
後半四間正堂、前面二間礼堂、中間二間造り合い
正面入母屋造 妻入、正堂部寄棟造、本瓦葺

正堂

礼堂

礼堂内部  中備、天井架構に鎌倉時代に導入された大仏様の意匠がみられます。

正面 礼堂側 妻入りです。