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やまびこさんのおくりもの
御杖の子供のためのむかしばなし

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嫁穴さん

むかしむかし、ある村に、嫁穴さんとよばれるほら穴がありました。村の嫁さんたちの秘密の穴で、ふるまいごとがあってお膳やお椀がいるときには、ほら穴に拝んでたのみました。
「嫁穴さん、嫁穴さん、あした何人分のお膳とお椀をかしてください。」
 すると次の朝、ほら穴の入り口に、お願いした通りの数のお膳とお椀が、きっちりとそろえてあるのでした。嫁さんたちは使い終わると、必ずお礼を言って返しました。
 あるとき、ある家でお客をよぶことになり、嫁さんはほら穴にお膳とお椀を借りにいって、
「四十人ぶん、お膳とお椀を貸してください。」
と、お願いしました。そして次の朝行ってみると、四十人ぶんのお膳とお椀がそろえて置いてありました。嫁さんはそれをもって帰り、お客用に使いました。
 ところが嫁さんは、借りたまま、お膳とお椀をほら穴に返しませんでした。
「わたしひとりぐらい、お膳とお椀を返さなくてもわからないさ。」
と、思っていました。するとそれからというもの、もうどんなに拝んでたのんでも、ほら穴はお膳とお椀を貸してくれなくなったということです。

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