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太鼓打家の食卓
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黄な粉雑煮

 2003年12月20日の朝日新聞天声人語に「ドゴール大統領が『265種類ものチーズがある国』といって『文化の多様性』を誇った国」というくだりがあった(コラムの本旨ではないが)。へぇ、フランスには265種類のチーズしかないのか。日本のお正月の雑煮は800万種類あるぞ。

 大和国中地方(大和盆地)の雑煮は、丸餅を焼いて、大根の輪切り、里芋、豆腐とともに白味噌仕立てにする。白い物尽くしで、大和の白雑煮というのが古風らしい。

 ところで、大和の山間部では、黄な粉雑煮を食べる。基本的には国中地方とよく似ているが、味噌は自家製の田舎味噌であることが多い。そして、椀の蓋に砂糖と合わせた緑豆の黄な粉を取り、雑煮の中から餅を取り出してその黄な粉をまぶして食べる。正月前になると菟田野町古市場の西昭和堂など、緑豆の黄な粉を売る店もある。
 他の地方の人にはほとんど知られていないので、このことを話しても「それ、絶対うそやろ。」と取り合ってもらえない。しかし、奈良県東部の山間地帯には、かなり広範囲に「黄な粉雑煮文化圏」が広がっていることは事実である。

 黄な粉雑煮文化圏の範囲を調査しています。黄な粉雑煮を食べられている方はメールでご一報ください。
 2005年2月黄な粉雑煮は、文化庁の「お雑煮100選」に選ばれました。
 お雑煮100選が本になりました。黄な粉雑煮掲載。女子栄養大学出版部



2006年6月11日 四条畷市にお住まいのJ.Sさんより、お便りをいただきました。

私の家は大阪府四條畷市上田原という地区にあります。奈良盆地の西側です。
大阪府とはいえ、生駒山系の東側、近鉄生駒駅より約4キロ北の奈良県生駒市との県境(県境まで200mぐらい)の山間の集落です。
私の祖父は、雑煮(丸餅、自家製味噌仕立て)の餅をいつも黄粉で食べていました。緑色の黄粉は大変貴重なものでした。
もちろん、黄粉は自家栽培の大豆を炒って粉挽きやさんで製粉してもいます。
また、生の乾燥大豆を粉にして、それを水で練って、直径3pぐらいの団子にして、雑煮の中に入れて炊いたもの(粉豆腐といいます)もありました。
素朴で結構うまいものでしたが、今はもう誰も作らないみたいです。

お返事

大変貴重な情報をありがとうございました。河内の山間部にも黄な粉雑煮文化圏が広がっていたことがわかりました。
おじい様が黄な粉雑煮を召し上がっていらっしゃるのですね。ご先祖様から受け継がれたお正月の習慣を大切になさってください。それから、粉豆腐というのははじめて聞きました。お雑煮の中に入れるということは、やはりお正月に召し上がるんですよねえ。「今はもう誰も作らない」とおっしゃいますが、これはもう、日本の食文化の豊かさを守るという心意気で、ご自身で受け継いで、伝えていってくださいますようお願いします。機会があれば是非一度、いただいてみたいものです。

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