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先日、浅間山での男女4人の遭難事故もあり、事故経過をもっと詳しく知りたいと
思っていました。ところが、遭難に関する詳細にふれる記事というのは遺族の方々
への配慮の為か、みあたりませんでした。
他の遭難事件のレポート記事を探していた所、4月に、5年前の番組の再放送が
ありました。

番組をみて、僕には、このパーティを責める気持ちはありません。
「いつ、自分が同じ状況となってもおかしくない」と思うからです。
過去に遭難の記録があるのだから、山に登る以上、その事例を知る義務がある
と思っています。

[吾妻連峰・雪山遭難をたどる〜そして5人は帰らなかった〜]

(NHK教育TV・平成6年5月__初回放送)
(____________________ 平成11年4月____再放送)より

<パーティ構成>
男性2人、女性5人(60代〜40代)
「リーダー」は登山歴30年、ガイド資格もある男性。吾妻連峰は13回目の登山。
霧の平分岐点の杭は過去3度確認している。
「サブリーダー」的存在のもう1人の男性も、登山歴こそリーダーより少ないもの
の、吾妻連峰へは何度か来ている。
女性5人も山は一通り経験済みで、いわばベテランの登山パーティである。

H6 行動 捜索その他
2/11
祝日
07:16 上野発東北新幹線あおば
予定では、やまびこに乗り、30分早い福島駅着のはずだったが、空席なし
09:19 福島駅着
スキーキャリア付きの車を手配するのに30分程予定外に費やす。
道路凍結の為、登山口までは車で行けず、途中車を降りた。
結局、運転手さんの薦めていたスキー場のリフトを利用する為、戻る。
強風の為、リフト4本中、2本目と4本目は動いていなかった。
しかたなくリフトを傍にみながら登るが、途中4本目のリフトが動き出した。
4本目のリフト乗り場
で登山計画書の提出を
受付けていた為、それ
に気づかなかった。
13:00 登山口着
15:00 慶応吾妻山荘入口(山荘まで340m)に先頭メンバー到着
大分遅れるメンバーもいた。
予定を変更し、「慶応吾妻山荘に泊ろうか?」というやりとりがあったが、
家形山避難小屋をめざす。
16:00 家形山避難小屋到着
他に宿泊客のいない、避難小屋での宴会がはじまる。
避難小屋備え付けのスコップで焼くステーキがメインメニュー
ラジオの天気予報を聞く事はなかった。
慶応山荘では気象状況
から、明日は下山する
よう宿泊客にすすめて
いた。
2組下山。1組早朝出発
22:00 宴会終了
2/12
(土)
晴間もみえる。小雪がちらつく程度。風ほぼなし。
(気圧配置の偶然による一時的好天)
「天気が悪ければ帰ろう」と考えていたが、この偶然により何の不安
も持たずに出発。
東京は朝から25年ぶ
りの大雪
08:35 小屋を出発。 山のガイド本では冬以
外は1時間で滑川温泉
着のコース
12:00 白浜の尾根着。2km先の霧の平をめざす。
メンバーのスキーの滑り止め用シールがはがれるなど、足止めをくう。
分岐点の杭がみつからない。
18:00 ビバーク決意。
雪のくぼみに銀マットを敷き、ビバーク。(−10℃以下)
メンバーに疲れはあるが、この時点ではまだ余裕があった
2/13
(日)
猛烈な吹雪(日本中で30人が一時的行方不明)
白浜の尾根まで引き返す。
身体ごと風にとばされ、前進できないので、比較的風の弱い東側を行く
雪が深く、男性2人でラッセルしてもほとんど進めなくなった。
再び尾根に戻り、スキーを外し、這って進む。
6人がやっと尾根を通過したが、1人止まっている。
リーダーが救出に向かい、ザックを受け取り、尾根を渡る。
まだ、動けないでいるため、再度救出に向かう。
意識を失ったので、シュラフに入れ、全員で引っ張る。
しかし、どうしても尾根を渡りきれない。
コッヘルで雪堂を掘る。
22:00、3つの雪堂をやっと掘り終える。
リーダー、疲労の為か、目が見えなった様子で、雪堂をくずしてしまった。
もう1人の男性が4つ目の雪堂を掘った。
東京の山仲間から捜索
願いが出される。
7人の登山ルートが特
定できず、捜索開始が
遅れる
夜、捜索活動開始
ラジオ福島は放送で一
晩中呼びかけた
2/14
(月)
まだ吹雪は続いている。
4人意識不明。
残り3人(男性1人、女性2人)で出発しようとするが、女性1人は動けない
為、残る。
尾根すじをあきらめ、滑川温泉をめざす。
途中、力つき、3度目のビバーク。
東京は晴れ
本来ならば7人は、お
のおのの職場へ出勤し
ていた
2/15
(火)

12:00
晴れ
2人は自力で温泉にたどり着く。重度の凍傷。
15:00 捜索隊、温泉にたどり
着いた2人の証言から
ヘリコプターで5人の
遺体を発見・回収

後日、7人の所属している山岳グループから報告書が自費出版されている。
報告書は、装備品の不備として「ツェルト」「ラジオ」を上げています。 遭難