宇宙大怪獣 ドゴラ

1964.08.11併映・喜劇駅前音頭
81分 カラー 東宝スコープ


スタッフ
製作    田中友幸 田実泰良
監督    本多猪四郎
特技監督  円谷英二
監督助手  佐野健
脚本    関沢新一
原作    丘見丈二郎 「スペース・マンモス」
撮影    小泉一
音楽    伊福部昭
美術    北猛夫
録音    矢野口文雄

−特殊技術−
影     有川貞昌 富岡素敬
光学撮影  真野田幸雄 徳政義行
美術    渡辺明
照明    岸田九一郎
合成    向山宏
監督助手  中野昭慶

キャスト    
駒井    夏木陽介
マーク   ダン・ユマ
宗方博士  中村伸郎
桐野    小泉博
昌代    藤山陽子
岩佐    藤田進
髭の男   河津清三郎
浜子     若林映子
駒井の上司  田崎潤


特撮+馬鹿アクション!
「笑える怪獣映画」ナンバー1?

「モスラ」が「特撮+ミュージカル」なら、こちらは「特撮+アクシヨン」。アクションっていってもフィルム・ノアール系でもムードアクション系でもなく、福田純監督が撮りそうな「馬鹿アクション」系。馬鹿馬鹿しさでいったら、こんな馬鹿馬鹿しい怪獣映画は他にないです。ホントに…(笑)。

ま、これと最も近い雰囲気を持つ怪獣映画といえば「三大怪獣地球最大の決戦」ってトコだが、製作が同じ1964年ということを考えると、東宝はここらで怪獣映画の新しい方向性を探っていたってことなんだろうか? キャスト的にも夏木陽介をはじめ、ボンドカール・若林映子の悪女、天本英世のギャングなど、東宝アクシヨンにはおなじみのメンツばかり。とはいえ、お笑いアクションり要素ばかり強く、怪獣がおつきあい程度にしか出てこないんで、真っ当な怪獣映画ファンからはちょっと毛嫌いされているのが私としては悲しいのである。

ちなみにこの作品見ていつも思うのは「こういう映画もアリだったら、岡本喜八監督にも1本くらい怪獣映画撮らせて欲しかったな(特撮嫌いだけど…)」ということ。面白いと思うのになぁ。

えーさて、ストーリー的にはというと国際ダイヤ強盗団と、それを追いかける刑事(夏木陽介)、それに謎の外人(ダン・ユマ)が絡んで…というお話。それにどう「宇宙大怪獣ドゴラ」が絡んでくるかというと、あまり絡んでこないんだな…これが。ま、「ドゴラ」の好物が「炭素」という設定上、ダイヤ=炭素で絡む程度。

とはいえ、この作品宣伝用のスチールは実によくできていて「まさに宇宙大怪獣!」といった大迫力なんである。この作品を実際に観る遙か前、小学生の私はこの写真を見るだけでドキドキしたもんだ。あのスチールの迫力が実際の映画でも出せたなら、この作品は本当の意味で傑作になり得たかもしれないのに…。いかんせん、看板スターのはずの怪獣が空に浮かんだコンドームのような造形では、怪獣ファンが怒るのも無理ねーかってところ。。現在のCG技術をもってすればそうとうイカスものになると思うんだけどねぇ。

んが、この作品の魅力はそんなところにはない! そうこの作品の一番の見所は夏木陽介と、変な外人ダン・ユマとの掛け合いである。(役名マーク・ジャクソン。マイケルじゃないよ念のため)さて、このダン・ユマ。東宝ファンには「モスラ」の刑事役で登場し「OH!ニューカークシティーは、もうダメデス!」というセリフで観客を脱力させたことでも知られる(ホントか?)外人さんだ。

この頃の作品ってメインキャストで外人さんが出てくると、吹き替えを使うことが多いんだけど、彼の場合は吹き替え無し! 妙に日本語上手いぞこの外人! とそれだけでも可笑しさがあるのに、変な日本通で「お番茶と枝豆」が好きだったり、「どうもどうも」を連発し日本人以上に日本人くさかったりとインパクトは充分。しかもそのやりとりは軽妙でほとんど漫才! 腹抱えて笑えます! 私に言わせればこの作品の主役はドゴラでも夏木でもなく、ズバリこのダン・ユマといっても過言ではないのである!(いや、それは過言だろう!笑)

とダン・ユマのことばかり書いてしまったが、この作品が怪獣映画としてまったく魅力ないのかというと、そんなこともない。ドゴラを倒すその解決策なんかは実に怪獣映画的だし、その倒される際のスペクタクルもビジュアル的にふるってると思う。が、東宝的にはこの作品は失敗作と判断したのか、これ以降「単体怪獣もの」は作られなくなり、「人間対単体怪獣」としては最後の作品となってしまったのが残念でならない。

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