イェーイ! このページは「浅草東宝ファンクラブ」が、その渾身のレポートを「東宝ファン」のYouたちに送る、VeryVeryホットなページだぜい! チェケラ! …とは言ってもファンクラブに参加してもいいっちゅー人は全然来ないのが現状さ…。ちぇっ。あ、いや、その…失礼。取り乱してしまいました。と言うことで引き続きファンクラブのレポートをお待ちしておりますが、とりあえず私のつたないレポートで御勘弁をばいただけたらと思っております。へへへ。

が、「2ちゃんねる」にも「浅草東宝スレッド」があるんで、アレとどうしてもかぶってしまうんですよねぇ(苦笑)。一応、差別化としては「2ちゃん」よりももう少し詳しくできればなんて思っておりますが、それでもやっぱりかぶるよな? うーん、ダメじゃん! と企画倒れの感もございますが、とりあえずやって参ります! 見捨てないでね、デイジーちゃ〜ん!'(なんのこっちゃ?)


2003年

3月15日 戦記大作・監督松林宗恵

6月7日 隠れた名匠・鈴木英夫

6月14日 大藪春彦原作集


3月15日 戦記大作・監督松林宗恵

「太平洋の翼」
「潜水艦イ−57降伏せず」
「太平洋の嵐」
「世界大戦争」

「イ-57」をのぞく3本がニュープリントに近い、比較的きれいな状態での4本立て。退色プリントに慣れているとはいえ、やはり女房と畳とプリントは新しい方がいい。なんと言っても長丁場こなした後の疲労感がまるで違う。とはいえいいことだけとは限らない。今回の場合だと、「太平洋の翼」のように米兵のセリフや手旗信号に「翻訳スーパー」をプリントする際に一緒に焼かなかったために話がわかりづらかったり、せっかくの4chステレオ版がある「世界大戦争」なのにモノラルでプリントしてしまったりのような「手抜きプリント」が存在するからである。せっかくきれいなプリントを作るのなら、そこら辺も含めて「封切り時と極力同じ状態」で作って欲しいものだ。

お客の入りは「円谷特撮のオンパレード」にも関わらずちょっと少な目。ま、有名作品ばかりだから、私も含めて、みんな何度も見ている作品と言うことなんだろうが、久しぶりに劇場で観てみるとやはりいいもんだなと実感。

途中「イ-57」のエンドマークが出たあとなぜかそのまま終わらず、ロールチェンジをしてしまい次の番組「太平洋の嵐」が流れ始めたのには笑ったが、こういうハプニングも旧作上映のいいところ。というか味である。

「太平洋の翼」

コンパクトにまとまっている秀作だが、名うてのパイロット達が危機を乗り越え続々と集合する「七人の侍」のような前半に比べると、後半が失速気味なのがやはり気になる。特に星由里子と加山雄三との会話「私は戦争を憎む」と正面切って言わせているくだりは無理矢理反戦色を出そうとしてとってつけた感がしてならない。やはり、戦争映画に女性が出てくるだけで、妙に押しつけがましい悲惨さを感じてしまうな。おそらく、それが無くなると戦記物なのに娯楽映画のような軽快な作品になってしまうことを恐れたのかもしれないが、無理矢理はやはり良くない。ま、そこら辺のバランスが戦記物の難しいところなんだろうが…。もっと面白くなる要素があるのに惜しい作品だと思う。

「潜水艦イ−57降伏せず」

「イ−57」20年ぶりの再会。結構記憶していたのと違った内容だったがやはり「潜水艦映画に駄作無し」といった感じ。

「太平洋の嵐」

豪華キャストで東宝男優辞典のような映画。戦記物の集大成というか、真珠湾からミッドウェイ海戦までの、日本海軍の快進撃と転換点を描いた作品でもある。ある意味、これほど戦時中の日本人の心情をリアルに描いた作品も無いような気がする。というのも、真珠湾攻撃から南方作戦で快進撃を続けている間、夏木陽介演じる北見はまさにイケイケの状態。が、ミッドウェイで負け戦をした途端「これが戦争の本当の姿か!」と目覚めてしまう。きっと内地にいた人間も同じような感じで空襲なんかを受けた途端に厭戦気分になったりしたんだろうな。えらく現金な感じもするが、人間そういうものかもしれない。勝っているときは、まさか自分が負けるなんて思わないからね。挫折して気付く真実もあるってことか? ともあれ見応え充分の良い映画です。

「世界大戦争」
オーバーチュアの、黒みに音楽だけ流れるシーンで、前に座ってた特撮ファン2人組が
初見だったらしく「おいおい故障したのかよ」っていうリアクションしてたのが可笑しかった。自分も初見の時はそうだったから。ただ、このオーバーチュアが入っていると言うことはいかに東宝がこの作品に気合いが入っていたかはよくわかる。ハリウッドでも超大作にしかオーバーチュアははいらないもんね。で、やはり何度見てもフランキーに芝居の上手さは圧巻。物干し台での一人ぜりふは、どうしても泣いてしまう。しかも、インテリばかりが出てきてみんなが「世界平和」について崇高な話ばかりしているちょっと現実感のない日常描写を、フランキーひとりの存在で、ありそうな現実感を出してしまうのがスゴイ。もし彼が出ていなければとんだ絵空事映画になってしまったかもしれない。あ、そういえば中北千枝子も、笠智衆もいるか? とにかくいくら理屈をのべ「平和」を語るよりも、小さな幸せを感じて生きている庶民の暮らしが核1発で壊れるという事実の方がよほど切なく恐ろしいからね。平和ばかり語る宝田明、星由里子の若者チームよりも、ひたすら普通の庶民をおじさん・おばさんチームの方ががんばったと感じてしまう作品かな。ラストの破壊図絵はやはり圧巻。

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6月7日 隠れた名匠・鈴木英夫

「燈台」
「非情都市」
「その場所に女ありて」
「やぶにらみニッポン」
「花の慕情」

前々から気にはなっていたものの、私的にはほとんど未見に近かった鈴木英夫だっただけに楽しみだった夜。アテネフランセなどで特集を組まれるなど水面化ではジワジワと人気が上がっているようで、意外な客の入りに日本映画の奥の深さを感じてしまった。世の中には、まだまだ知られていない才能があるんだねぇ。5本中「燈台」と「花の慕情」2本がニュープリント。

「燈台」

三島由紀夫の戯曲を元に作られた作品。5つしか年が離れていない魅惑の義母(津島恵子)とその息子(久保明)の倒錯した愛の姿をスリリングに描いている。上記2人に加えて実の父(河津清三郎)と妹(柳川慶子)の4人が家族旅行で行った先のホテルの一室を舞台に、全編に渡って緊張したやりとりが見所。とくに「狂おしいばかりに義母の名前を書き殴った参考書」などの小道具の使い方が上手く心理サスペンスとしても充分に楽しむことが出来る。

「非情都市」

三橋達也主演のピカレスクロマン。自分の追ったネタのためなら、汚い手も使うし、危ない橋も平気で渡る新聞記者の物語だ。魅力は三橋が決してスーパーマンではないところ。ヤクザ相手に結構情けないやりとりもある一方、転んでも只じゃ起きないというしぶといキャラクター設定が面白い。「清く正しく美しく」がモットーの東宝の中でも、中年男のいやらしさと、かっこよさを併せ持つ三橋達也がいたからこそ東宝作品(特にアクション)の幅が広がったような気がする。あと、2chでも指摘があったが司葉子の脚線美をフェティシュに切り取った鈴木英夫のセンスも評価したい。あと納谷・銭形・悟朗が顔出しで出演していたのも印象深かった。

「その場所に女ありて」

大人の魅力って言うのは、働いて金を稼いで生活していくっていう、一見当たり前だけど、実ももの凄く大変なことを、さも当たり前のようにやっている部分にあるんじゃないだろうか。この作品の司葉子を見ていると、「生きてゆく大変さ」を実感してしまう。ある種「江分利満氏〜」と共通するところもある作品。1960年代にはキャリアウーマンなんて存在しなかった時代にあまりにも早すぎたテーマでもあったと思う。逆に今見ても少しも古びるところがないどころか、平成不況の誰もが潜在的に失職する恐怖をもっている現代では、男でさえ見ていて身につまされるものがある。

作品のラスト。苛烈な広告代理店の企業戦争に負け、宝田明に騙されていた形となった司葉子が、宝田に電話で別れを告げるセリフ「街で会ったらお酒でも飲みましょ…笑い話にしてもいいわ…さよなら…。 ……えっ?… そう、さようならって言ったのよ」がカッコイイ。現代において「カッコイイ」とは「紅の豚」のような生き方ではなく、この作品の司葉子のようなひとりでも生きてゆける人間を言うのかもしれない。

「やぶにらみニッポン」

東宝の「ヘンな外人」ジェリー伊藤を主役にすえた「ここがヘンだよ日本人」的なブラックコメディ。口当たりはあくまでドライでビター。クレージーや社長シリーズなどとは違うシュールなギャグが魅力だ。清水由記演じるイカレたティーンアイドルのサリドマイド遊び=「サリドマイド飲んでどれだけ奇形の赤ちゃん生めるか競争してるの」というギャグにはさすがにぶっ飛んでしまったが…。ありゃCSでも放送出きんだろうなぁ(笑)。

「花の慕情」

今なら「ザッツ昼メロ」というようなコテコテのメロドラマ。冒頭、司葉子演じる華道の先生が事故で弟を亡くし、その原因を作ってしまった宝田明に出会うところから(当然2人は惹かれあい周囲は反対してゆくわけだが)、キタ、キタ、キタァァァーって感じの展開。でも実際に今、昼メロでやっている「愛の嵐」や「真珠夫人」と比べても内容的には変わらないだろ? 人の感性ってそんなには変わらないと言うことなのか…。とはいえ、司葉子の美しさだけで最後まで見ることは出来た。途中主題歌流れるところはどうなるかと思ったが(笑)…。

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6月14日 大藪春彦原作集

「拳銃よさらば!」
「暗黒街の対決」
「野獣都市」
「野獣死すべし」
「顔役暁に死す」

2週続けての登板はちょいと辛かった。雨のためお客の入りも少な目。蒸し蒸ししていたので劇場の方に「冷房を強くしてください」とお願いし、私自身は快適に観れたのはいいが、後で女性の方が「冷房強すぎ」と劇場の方に苦情を言っているのを見たときは、少し心が痛んだ。すみませんワガママ言ったのは私です。ここでお詫びします。

内容的には先週とはうって変わっての男の世界。ただプリント的には「野獣死すべし」意外はどれもボロボロで辛いと言えば辛かった。

「拳銃よさらば!」

寺山修司脚本によるハードボイルドアクシヨン。田舎から上京した若者が頼りにしていた兄の謎の死と、兄が残した拳銃を手に入れたことから、復讐心に燃え暴走、破滅してゆくまでの物語。主演の水原弘が拳銃を持つという意味を知るシーン、拳銃の存在に気付いたジェリー藤尾が今までの高圧的な態度から一転、水原弘の命じるままにブタの真似をするシーンがゾクゾク来た。が、水原弘の芝居ってどうも石原裕次郎の劣化コピーのような気がしてならなかったな。仲代達也、丹波哲朗、宮口精二、田武謙三など脇を固める一癖も二癖もある人々が一番の魅力か?

「暗黒街の対決」

三船敏郎が「腕も切れるが頭も切れる」という現代版三十郎を演じた娯楽作。ただし「用心棒」よりもこちらの方が1年早かった。「消しちゃえ。消しちゃえ」と歌い天本英世の怪演が光る「殺し屋・トリオアミーゴス」や田崎潤の「粋でいなせな親分」沢村いき雄の「胡散臭いストリッパーのヒモ」など、脇役に魅力的なキャラがひしめいているのは岡本喜八監督ならでは。そんなコミカルムードの中、鶴田浩二がひとり東映調で渋く決めているのも面白い。

「野獣都市」

黒沢年男、三国連太郎のギラギラした男達のギラギラした物語。70年代的な倦怠感漂うムードの中物語が進行してゆくが、後半、三国が廃人となって以降の展開は、ただただ黒沢年男の暴走の物語でついてゆけなかった。小悪魔的な魅力を振りまく高橋紀子の悪女ぶりはよかったが…。東宝が凋落してゆく時期に作られた作品であることを実感してしまう。

「野獣死すべし」

戦後の文壇にも衝撃を与えたハードボイルド小説の映画化。知的で野蛮、冷静さと情熱を併せ持つ「伊達邦彦」を仲代達也が原作通りに好演。途中、繰り返される「日本人論」「現代人論」や、コントに出てくるギャングのような仲代の衣装は、今見ると気恥ずかしいものがあるが、「犯罪」というものを「善悪」を越えた視点、純粋に人の欲求から来る行為という捉え方は今なお新鮮。日本の犯罪映画史に残る傑作である。ただ、刑事役の小泉博が警官殺しの犯人として仲代に目を付ける展開は「直感」以外の何者でもなく、それを公式な捜査会議の席上で主張してしまうくだりはなんとなく無理を感じてしまったが…。モノクロの良さをめいっぱいに生かしたメリハリのある画面づくりも印象的。私世代としては「野獣死すべし」といえば村川透監督、松田優作主演のバージョンがまず真っ先に浮かぶのだが、どちらもまったく違う魅力を持つ作品として光っているのは、やはり原作の力なのかもしれない。

「顔役暁に死す」

好きな人には申し訳ないが、喜八作品の中ではあまり評価が出来ない作品。喜八作品でおなじみの佐藤允や三船敏郎に比べると、加山雄三の単独主演というのはこの作品が作られた1961年当時は、デビュー間もないこともあって、まだパワー不足のような気がする。一番印象に残っているのは、なぜか歯を磨きながらルーレットを回しているディーラーの大木正司。他にも小悪党役をやらせれば天下一品・山本廉や、人を食った味わいの新聞記者・ミッキー・カーチス、インテリヤクザとしてはやはりこの人・平田昭彦など魅力あふれる脇役は多く、喜八作品ならではの楽しみは多いが、主役がパワー不足ではやはりつらい。

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